いちごの定植で気をつけること

ビニールハウスの高設ベッドにいちご苗を定植している様子

いちごの定植(苗を本ぽ=栽培するほ場やベンチに植え付ける作業)で気をつけたい点を、農研機構・県・JAの資料で比べました。いつ植えるか → どの苗を → どんな本ぽに → どう植えて → 植えた後どう守るかの順に、各機関の見解が一致する点と違う点を整理しています。数値はいずれも、各資料が対象とした条件での目安です。

1. なぜ定植が大事か:植え遅れ・活着の遅れは収量に響く

各機関の見解のまとめ

  • 一致している点:定植から活着(根付くこと)までの初期生育が、その後の着花数や収量を左右するという点は、栃木県、栃木県安足農業振興事務所(以下、安足)、農研機構ほか、JA埼玉中央の資料で共通しています。栃木県と安足は、定植の遅れが初期生育の遅れ、着花数の減少、収量の低下へとつながる流れを示し、栃木県は活着の遅れも同じように減収につながるとしています。
  • 力点の違い:JA埼玉中央は活着を促して根張りをよくすること、農研機構ほか(とちおとめ)は大苗を早めに定植することを、それぞれ重視しています。

以降のテーマでは、適期に植えて早く根付かせるために各機関が挙げている具体策を、判断の順に紹介します。

栃木県 栃木|とちおとめ|促成

  • 作型に関わらず、定植期が遅れると初期生育が抑えられ、着花数の減少や収穫時期の遅れにつながる。初期収量が少なくなり、総収量も低下する
  • 活着の遅れも、定植の遅れと同様に生育の遅れや減収につながる
  • 収量との関係では、定植時期と初期の土壌水分の影響が大きい

出典:栃木県「いちご『とちおとめ』の栽培技術」

栃木県安足農業振興事務所 栃木|とちおとめ|促成

「とちおとめ」は、定植の遅れが収量に影響する(「初期生育が遅れる→頂花房の着花数が減少する→収量が低下する」)。

出典:栃木県安足農業振興事務所「いちご育苗後半の栽培管理のポイント」

農研機構ほか 北海道|とちおとめ|促成・高設

年内収量を確保するため、大苗を早期に定植する。定植の遅れは減収につながる。

出典:農研機構ほか『大規模いちご生産技術導入マニュアル』

JA埼玉中央 埼玉|促成

長い収穫期間を支える株に育てるには、活着を促進し、「根張り」をよくすることが重要。

出典:JA埼玉中央「いちご定植前後の管理と高温対策について」(2024年・東松山農林振興センター)